拠点事業【開催報告】平成27年度帝京大学FDフォーラム
「ラーニング・ポートフォリオ~深い学びとリフレクション~」 メッセージ動画を再生動画が再生されない方はこちら

帝京大学高等教育開発センターでは、文部科学省認定による「平成27年度教育関係共同利用拠点(拠点名:教職員の組織的な研修等の共同利用拠点)」事業として、“The Learning Portfolio: Reflective Practice for Improving Student Learning”の著者として著名なジョン・ズビザレタ博士(Columbia College・USA)を招聘して、平成27年12月17日にFDフォーラムを開催いたしました。年末の慌ただしい時期にも関わらず、帝京大学グループ教職員のみならず他大学の教職員も多くご参加くださり、盛況のうちに会を終えることができました。

ラーニング・ポートフォリオとは

まず、ズビザレタ博士から、「ラーニング・ポートフォリオ」という考え方について説明がありました。学生の評価を1つの方法のみで行うと、その評価基準に適わない学生が成功できないという状況が生まれてしまいます。そのため、多様な評価方法を用い、学生の「学習」を多角的に捉える必要があります。このような場合に力強く効果を発揮するのが、ラーニング・ポートフォリオです。

ラーニング・ポートフォリオとは、「学生自身が、自分が何をどのくらいどのように学んだのかを示す1手段」です。ポートフォリオには(1)リフレクション、(2)ドキュメンテーション、(3)コラボレーション/メンタリング、という3つの側面があり、3つが交差したところに最も深い学習が生まれるとのことでした。

ラーニング・ポートフォリオの活用と意義

次に、ラーニング・ポートフォリオがどのように使われているかについて紹介がありました。オーストラリア、米国を始め、世界各地でラーニング・ポートフォリオは活用されています。中にはe-ポートフォリオもあるとのことです。

ポートフォリオの使われ方の1つに、アセスメントに使うというものがあります。個人の学習成果をアセスするということのみならず、全体のプログラムや学科全体の効果や効率、教育機関全体へのアセスメントにもポートフォリオの活用が可能だそうです。さらにもう1つ重要な使われ方として、ポートフォリオが卒業や卒業後のキャリア選択の際の情報源となるというお話もありました。

学生はポートフォリオ作成を通じて、自分が何を学んだのかという事のみならず、どうやって、いつ、なぜ学んだのかという事を知ることができます。これにより、学生は批判的内省を実現することができ、深い学習へと展開していくのだそうです。

つまり、ラーニング・ポートフォリオの導入は、単にアセスメントの手法として捉えるのではなく、そのものに深い学習を促す機能があるということです。今後、さらに多くの教育現場でラーニング・ポートフォリオが導入されていくことでしょう。日本の大学教育改革を考える上で、非常に示唆に富むご講演でした。ジョン・ズビザレタ博士、ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。

拠点事業【開催報告】平成27年度帝京大学FDワークショップ
「FDerのためのプロフェッショナル・ポートフォリオ」

講  師
ジョン・ズビザレタ博士(Columbia College・USA)
開催日時
12月17日(木) 16:30~17:45
開催場所
帝京大学八王子キャンパスソラティオスクエア4階 教育方法支援室
参加者数
17名

プロフェッショナル・ポートフォリオの概要や構成要素、作成上の留意点などについて講師より説明があった後、グループごとに意見交換やメタファーを使った簡単なワークを行いました。参加者からは、プロフェッショナル・ポートフォリオの評価方法や、FD担当者としてのキャリア形成にどのように具体的にポートフォリオを役立てていくべきかなどの質問が寄せられました。